6.殺菌

いよいよ最終工程となりました。
ハムの味の良し悪しがこの工程にかかっている、もっとも大切な部分です。細心の注意を払って作業することが大切です。

殺菌の目的は、肉の中の菌を熱によって死滅させ、肉の保存性を高めることにあります。
肉に熱を加える方法として、類書の多くは水煮する方法が書かれていますが、これがなかなか難しいのです。

というのは、肉の中の菌は、肉の中心温度が65度で死滅することが確かめられていますが、65度に保つための湯温のコントロールがきわめて困難で、少しでも油断すると70度を超え、75度、80度に達してしまうのです。こうなると、肉は油が抜けてポソポソになってしまい、とてもハム本来の味とは言えなくなってしまうのです。

私は、書籍を参考に、現在ガスオーブンを使って殺菌していますが、水煮と比べると温度管理が楽で、仕上がりも安定するようになりました。といっても、温度管理を怠ってしまえば失敗は目に見えていますが。

工程 写真 説明とポイント
6-1 肉の内部温度を計るための、肉専用の温度計。
目盛りは2度刻みになっているので、微妙な温度測定が可能です。
針の部分を肉の中心に達するまで差し込んで使います。その際、肉は一つ一つの大きさが異なるため、一番大きなブロックを選びます。
6-2 スモークが終わった直後の、まだ暖かい肉に温度計を差し込み、ガスオーブンにセット、これから殺菌工程に入ります。オーブンの温度設定は、私の場合、100度にセットし余熱をしないで肉を入れてしまいます。
殺菌は、肉の内部温度を65度〜70度に保つよう、ガスオーブン側で温度管理を行います。
6-3 温度管理は、こまめに行いましょう。水煮ほどシビアではないにしろ、時々はオーブンを開け温度計を確認します。
オーブンに点火し、40〜50分で肉の内部温度が65度に達するようです(もちろん、オーブンの種類によって異なりますが)。
65度に達してから20分ほど殺菌しますが、ガスオーブンのセットを100度にセットおけば、20分位経過しても70度以上になることはないようです。このへんが水煮に比べると楽です。70度を超えると、焼き豚状態になってしまいますので注意してください。
6-4 殺菌が終わったらすみやかに冷却します。
肉は熱を加える時間が長くなるほど、食感、味ともに低下しますので、殺菌という目的を終えたら、すみやかに熱から解放してあげます。流水で30分くらい冷却します。
容器は必ず清潔なものを使いましょう。
6-5 冷却を終え、たこ糸とセロファンを取り除いた肉、いや、もうすでにハムとして完成しています。
この色、この香り。これが本物のハムです。メーカーによる添加物まみれ、スモークもしないハムとはひと味もふた味も違います。
6-6 これは、包装を入念にしたつもりだったのに、合わせ目が十分結合しなかったハム。もちろん味にはなんら影響はありません。
6-7 大量に作った場合は、冷凍保存することで、いつまでも作りたての味を保てます。
写真は真空保存するために機械にかけているところ。特殊なビニール袋を使い、完全密封する事が出来ます。但し、この作業は一度に大量のハムを作る場合を除き不要です。完成したハムは、保存性がよいので冷蔵保存でも一週間(ビニールの袋に入れて、空気を抜いておくこと)は美味しさを保てます。もしすぐに食べないのであれば冷凍保存がいいでしょう。冷凍はマイナス20度以下で。


さあ、食べましょう!

美味しく食べるには、薄切りが一番。

良く切れる包丁で1〜2ミリの厚さに切って、お皿にきれいに盛りつけます。

厚切りにしてステーキ、・・・も良いのですが、でも、ちょっともったいないな〜!


長時間お付き合いくださいまして、本当にありがとうございました。
 

1.塩漬け2.塩抜き|3.乾燥4.包装5.スモーク

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